
酒業理念
信州・松本の地酒 岩波
西に日本アルプスを臨み、東に美ヶ原を中心とした高原に囲まれた城下町・松本市。その郊外にある山辺の里が、清酒「岩波」のふるさとです。1872年の創業以来、清酒の醸造、販売を通じて、地元・松本を中心に、みなさまの豊かな食生活・食文化のお手伝いをさせていただいています。
「飲み飽きしない酒」から「ウマミとキレが調和する酒」へ
岩波酒造のお酒は創業してから長らく越後杜氏の手により生み出され、継がれて来ました。そのお酒は「飲み飽きしない」すっきりとした味わいが特徴であり、長くそれが評価されてきました。
令和を迎え、競争激化・激変する日本酒市場を前に弊社蔵元と杜氏がよく話し合い、その伝統のすっきりとしたキレ味を武器として引き継ぎながら、発展させた形で、ウマミもそこに加えた酒質を目指すことを決めました。
ここで生まれた「ウマミとキレが調和する酒」というテーマを蔵元・杜氏全体で一貫して共有・大切にし、より多くのお客様からの「おいしい」をいただけるよう、令和の酒造りに邁進してまいります。
自醸造100%
1973年をピークに、日本酒の消費量は年々低下しています。酒の種類の多様化という市場の要因、飲む機会が減った社会面・文化面の要因等々が考えられますが、この現象は日本酒業界にとって大きな変化を生じさせています。一つには、倒産あるいは廃業。一つにはブランド名だけを他社に売り、残す。一つには桶買い、桶売りの増加です。
酒造会社が単体で存続することが大変に厳しい状況ではありますが、岩波酒造では自分たちで造った日本酒のみを売るという自醸造100%のポリシーを守り続けています。これにより、味・品質の責任の所在が自分たちにのみあるということを改めて確認し、自分たちが酒を造り、ブランドを築き上げ、お客様に美味しさと喜びを届け、その声を聞き、自らの成長の糧とすることができます。その自醸造100%のこだわることによる再帰性が、岩波酒造の強みであると考えます。
晩酌の定番からその先へ。
信州・松本の「晩酌の定番」という呼び名を誇り、我々は「岩波」を飲んでくださるお客様の側に立った酒造りをしています。近年では、多様化するお客様の趣向に対応すべく、伝統の技と新しい技術を融合させ、大吟醸酒をはじめとした幅広いラインナップを充実させております。常なる品質向上の過程では、数々の品評会でも賞をいただいています。
理念と実践と実現。
蔵人が五感を研ぎ澄まし、感じたこと、意見、提案を互いに述べ合い、蔵人一丸となり改善する。尊敬すべき伝統の技をしっかり守りながら、新しい技術とアイデアを果敢に取り入れる。そうした理念と実践が、酒質の向上とお客様一人一人の「うまい!」を実現すると、信じています。