無濾過蔵出し 岩波 零ノ参式 (むろかくらだし いわなみ ぜろのさんしき)

普通酒を取り巻く現状

昨今の日本酒を取り巻く環境は、そもそも日本酒自体の消費量が下降トレンドの中で、純米酒と吟醸酒は売上げを堅調に維持、あるいは伸長させています。純米酒、吟醸酒の素晴らしさや美味しさを知り、日本酒ファンが増えていくことは大変に喜ばしいことでありますし、これからもその味を楽しんでいただける方々を増やしていくために我々は努力をしていかねばなりません。

しかし、同時に純米酒を推すばかりに、普通酒はダメだということを述べる方々もいらっしゃるという事実には、蔵に従事する私としては残念だと思う点だ。蔵ごとに個性的な純米酒、吟醸酒を醸しているように、普通酒も蔵により醸し出す味が全く異なり、純米酒や吟醸酒には出せない味というものをきちんとあるからだ。それが近場のスーパーで気軽に買えるだなんて、とても面白いお酒と環境だとは思わないだろうか?

岩波酒造には、地元で超ロングセラーの普通酒「岩波 佳撰」があります。「無濾過蔵出し 岩波 零ノ参式」とは、このベストセラー酒に対して、佐田杜氏が別の解釈をし、生み出した新しい普通酒です。冷酒でも燗でも美味いのは当然ですが、燗にして、食中酒として楽しめば、もはや満足度120%です。

自信があるからこその無濾過

酒造りには炭濾過という工程があります。これにより、酒から雑味や品質劣化の原因となる成分を取り去ることができます。しかし、「無濾過蔵出し 岩波 零ノ参式」の製法は、炭濾過という工程を挟みません。つまり、炭濾過をせず、無濾過のままお酒を瓶詰めするのです。

この説明を聞いていれば、「それは、まずいんじゃないの?」と思われるかもしれません。いえいえ、違います。むしろしぼったお酒の味に自信があるからこそ無濾過のまま、皆様にお届けできるのです。さらに言えば、炭濾過は、上述のように悪い部分を取り除きますが、同時に良い部分も取ってしまう場合もあります。ですから、元が良いお酒であればあるほど、炭濾過によって、良さまでもを矯めてしまい、とても勿体無いという場合もあるのです。

様々な試行錯誤の末、「無濾過蔵出し 岩波 零ノ参式」は、悪い部分が出ないように絞り、無濾過のまま瓶詰めすることで旨みとコクと香りを封じ込めることに成功しております。

一年間の低温熟成

それならば、「岩波 普通酒 佳撰」と「無濾過蔵出し 岩波 零ノ参式」の違いは、炭濾過をしているか、無濾過のままなのか、だけなのかと言うと、そうではありません。

「無濾過蔵出し 岩波 零ノ参式」は、しぼり、火入れ、瓶詰め後に、気温3度の真っ暗な冷蔵貯蔵室にて、1年間の低温熟成という工程を挟んでいます。その暗くて寒い部屋の中で、詰められた酒はじっくりじっくりと熟成をし、出荷されるころには、それは見事なまろやかさを獲得しています。

オルタナティブな旨さ

常識的に考えれば、普通酒にこんなに手間をかけることは珍しいと思います。しかし、そこは長く多くの皆様に愛されてきた普通酒を作ってきている岩波酒造の意地があります。安くて美味いお酒を皆様に提供したい。僕らの普通酒ってこんなにうまいんだよ、とお伝えしたい。そうした気持ちが結晶したものがこの一本です。

そして、佐田杜氏の横で蔵の作業もする、HP担当者の私の個人的な感想ですが、「岩波 普通酒 佳撰」が安定した旨さの追求をしているのに対して、「無濾過蔵出し 岩波 零ノ参式」は岩波酒造が生み出せる別の旨さの可能性を追求しているものなのだろうと感じています。ですから、実は、まだまだ発展の余地のある面白いお酒だと感じています。ぜひ、その発展していく美味しさをご賞味ください。

「無濾過蔵出し 岩波 零ノ参式」は、岩波酒造公式オンラインショップで、いつでも便利に注文できます!!

アルコール度数15.3度
日本酒度+1
酸度1.3
保存方法常温もしくは冷暗所を推奨します。
味わい旨口で円やかな仕上がり。
飲み頃温度ロックにしても、冷酒から熱燗まで、お好きなようにお召し上がりください。
原材料名米, 米麹, 醸造アルコール
使用米麹米: ひとごこち
掛米: 酒造好適米
精米歩合70%
使用酵母きょうかい酵母901号