「御柱 杉の御神木で酒林」
松本・千鹿頭神社 岩波酒造 山出し前に完成
松本市里山辺の林町会にある岩波酒造が、17日に行われる千鹿頭神社(林・神田両町会境)の御柱曳航行事「山出し祭り」を前に、新酒の完成を告げる酒林(杉玉)を、林町会の御柱となる杉の御神木の葉で作った。通常は年末頃までに掲げられるが、今年は7年目ごとの御柱祭(令和5年)で曳く御柱の伐採行事と重なり、創業150周年の節目でもある”ご縁”を大切にしようと、4ヶ月遅れで「御柱の杉玉」を完成させた。
3月20日に林の山中で御柱2本の伐採行事があり、10日後に社員総出でトラック2台分を回収して、力を合わせて約60cmの杉玉に仕立てた。今月8日に酒蔵入口に掲げた。
御柱の杉玉を提案した杜氏の佐田直久さん(56)は「御柱になったありがたい杉の葉だ。『来年5月の御柱建立祭にはコロナ禍も去る』『みんなで力を合わせて御柱を曳こう』との願いを込めた」と話す。平成29年(2017)年の前回御柱建立祭で若手祭礼団体・金華連の会長を務めた小岩井昌門専務(34)は「御柱建立祭は地域が一体となる大切な行事。地元の酒蔵として林町会とともに伝統を引き継ぎたい」と強く誓った。
御柱行事は林町会の山出し行事のほか、神田町会も18日に第四位御柱を、24日に第一位御柱をそれぞれ伐採し、町内へ車両で運搬する。
(小岩井貴之)